ラノベのタイトルみたいになった。ふとそう思ったので論拠を述べます。理屈をこねまわすのがわたしの萌えだからこういうのも萌え話なんだよな。まめを。
原作中ではまず扉間がマダラの最愛にして唯一残った最後の同朋である弟のイズナをぶち殺したあとから扉間とマダラの個体認識がはじまるので(これ以前はうちは一族の頭領(嫡子)・柱間の弟程度の認識しか互いにないと思う)、この「イズナ殺害」という致命的なできごとさえ起こらなければ和解は可能だったのかというイフを考えてしまうところなんだけれども、わたしは絶対に無理!!!!!!!! と思う。
理由はふたりの性格というか信念というかあらゆるものが相いれないから。
扉間は非常に合理的な人間で、すぐ下の弟瓦間が戦死したときでさえ、いちばん下の弟板間のように哀しみをあらわにするでも、兄柱間のようにまだ七つになったばかりだった瓦間を戦死にいたらしめる原因をつくった大人代表である父親にたてつくでもなく、ただ「協定を結んで戦をやめればいいのにどうして大人たちはそれができないのか」と考えられる。必要であれば弟を殺した相手とも手を組む心づもりができていて、それは板間が「死者の無念はどうするの」と反発したのに対して「そんなこと言っていたらおまえも死ぬぞ」と切り捨てていることからもうかがえる。
つまり扉間はざっくりいえば「死んだ奴は死んだんだからどうしようもない。生きている奴が死なないようにできることをすべき」と考えていて、ここがまずマダラと相いれないポイント。
マダラは非常に不合理で感情的に生きている人間で、弟のイズナを殺されたあとは、ひたすらイズナのために、千手一族に復讐することだけを目的に戦いを仕掛けている。一族は戦意を失い、投降者まで出ているにもかかわらず。マダラはイズナという死者のために敵も味方も死なせつづけているわけで、これは扉間の目には間違いなく「忌むべき不合理」とうつる。扉間が幼少時に批判していた「協定を結べばいいのにそれをせず、ひとを死なせつづけているバカな大人」そのものだから。
しかしマダラにもマダラなりの、自らの眼まで差し出して死んでいったイズナの仇を捨て置いてむざむざ生きてはおれないという理屈があると思われるので、扉間のみる「忌むべき不合理」はマダラにとっては「当然の情理」、扉間の長所である「合理的」はマダラに言わせれば「卑劣」になる。マダラの心情はおそらく板間が言っていたような「死者の無念はどうなる」にかなり近いと思うので、それを「おまえも死ぬぞ」で切り捨ててしまうような扉間とは絶対に相いれない。マダラがイズナのために、頭領として守るべきうちは一族を犠牲にしていることに対して、おそらく扉間は「おまえは生きている者がどうでもいいのか?」となるだろうけど、マダラは幼い扉間が語ったことに対して「なら死んでいった者たちにだれが報いてやるんだ?」となるんだと思う。マダラ、板間とは仲良くなれそうだな……千手家において扉間がいかに鬼子であるかという証明なんだろうか……いやどうでもいいな!
これらはイズナの死があろうとなかろうと、扉間とマダラという人間の核をなしている性質なので変わることがなく、よって扉間とマダラはどんなイフやなんやがあろうと、お互い「最高に無理」みたいな間柄であり続けるんじゃないかな。
マダラがまだ里にいるときの扉間とマダラの関係を考えると、「お互い殺したいのに殺せない」という状況だったんだろうなあ。扉間は、マダラが柱間に「自刃するか弟を殺せ」というおそろしく不合理な二択を迫ったことに対して非常に危機感を抱いただろうから、里をゆるがす危険因子になりかねないマダラをできるなら抹殺したかっただろうけど、うちは一族と手をむすんで里をつくりあげた以上それはできなかった。これは合理的判断による暗殺の断念。対してマダラのほうは、柱間とつくった夢をぶち壊したくないからという理由もあったかもしれないけど、それよりも「柱間に唯一残された弟」である扉間を殺すことはできなかったのではないか。扉間が柱間の弟でさえなければ秒で殺していたと思う。これは情緒的判断による復讐の断念。相手を殺したいと思っているけど殺せないという状況はおなじなのに理由がまるで異なってくるんだよな。ほんとうに水と油だよおまえら。実際には炎と水なんだけど(得意な術系統が)。
まあそれなら里抜けするとき行きがけの駄賃みたいな感じで扉間殺していけば? と思うけど、初代火影より先に二代目火影が死んでるのは話的にまずいし(いや四代目火影は三代目火影よりさきに死んでいるけど)、扉間もタダで殺されてはくれないだろうからたぶん柱間とも戦うことになってしまうし、そこはあきらめたんだろうね。輪廻天生マダラが穢土転生扉間をハリネズミにしたときにちょうど柱間がいないという状況を穿って見るなら、柱間の関知できるところで弟の扉間を痛めつけたくはなかったのかもしれない。マダラはやさしい男だからよ(笑うところ)。
ここまでこいつら相いれないよね~と語っておいてわたしはマダ扉が好きなんだけど、それはあれ、殺したいと思っているから相手のことに詳しいみたいな関係性萌えるからだね。エモいと思う。なんでもエモいっていうけど。しかしほんとうに相いれないふたりだから、あいだに挟まれた柱間マジキッツかったんじゃねえのかと思ってしまう。でも柱間だからな。全身柱間細胞だしな。平気だよな。平気! 仲良くしようぞ! とか言って扉間とマダラを連れてもうひとり部下を調達して四人で麻雀大会とか企画しそう。けっして言葉をかわさない扉間とマダラ、とにかく明るい柱間の温度差に部下のなかのマンボウが五億匹くらい死んでしまうだろうな。