なんとなく思ったことを書くだけなので考察とかではないんだけど。
ドフラミンゴってめちゃくちゃ強キャラムーブかましてくるしマジで強キャラだし、策略家だし、総じて優秀な人間(ではなくて天竜人)だけど、同時に死ぬほど幼稚な男でもあるよな~とふと思ったわけです。ドフラミンゴの幼稚な部分って、「とにかく他人のせいにするところ」。
いちばんはじめの、ドフラミンゴ少年が父親ホーミングにむかって「おまえのせいでこんなことになった」というのはまあそのとおりだし正当なんだけど、その後にロシナンテを殺すときにも「なんでおれが二人も家族を殺さなきゃならないんだ」とロシナンテを責め、ドレスローザの戦いでも「おまえらがなにもしなければドレスローザは平和だった」とルフィとローを責める。ついでにドレスローザの民に「ほんとうは最初から恐怖で支配してもよかったけどそうしなかった。いまからそうするのは麦わらの一味たちのせい」みたいなことを言ったりする。それはおかしいでしょ? っていう。ルフィとローに対する責任転嫁は、単に相手の罪悪感をあおるための話術かな? と思っていたしその可能性はあると思うけど、ロシナンテに言った「父親と弟が自分に家族殺しをさせた」というあきらかな本音があるので、ルフィとローに対する責任転嫁もマジで言ってんじゃねえのかこいつという気がするわけ。
ホーミングの判断ミスでマリージョアを去ることになって迫害を受けて母親が死んで、それでホーミングを恨んだり憎んだり殺したりするのはまあわからんでもないというかそこを幼稚と批判はできないと思うけど、自分で殺すと選択しておいて、のちにとはいえ「なんでおれが殺さなきゃならないんだ」はないだろうと。だれもドフラミンゴに殺人を強要してないどころかロシナンテにいたっては「やめてくれ」と懇願しているわけだからね。ホーミングを殺したことに対する後悔や慚愧があるのだとしたら、自分を責めるほかないんだよな。殺さなければマリージョアに戻れない、迫害から逃れられないと思い詰めた結果かもしれないけれども、結局首をもっていってもマリージョアには受け入れられなかったときに、自責ではなく他責が先に立ってしまったんだろうな。まあ、まだ子どもだったから、それなりに愛し、だからこそ憎んだであろう父親を殺したことがまったく無意味だったということの責任をぜんぶ背負えというのは酷だろうけれども、それでも「なんでおれが二人も家族を殺さなきゃならないんだ」はさすがに的外れすぎるだろう。決断したのはおまえ! おまえおまえおまえー!!! トレーボルが銃を渡したけど、父親に銃口をさだめて弟の懇願もきかずに引き金を引いたのはおまえ!!!!!
ロシナンテに関してはもう完全に責任転嫁だよ。ドフラミンゴはロシナンテを殺さない道を選べたんだよ。ファミリーのだれもドフラミンゴに強要できないんだから。でも選ばなかったんだよ。だってドフラミンゴは自分についてくる「家族」を失いたくなかったし、自分の手で殺さなければ裏切り者の実の弟を絶対に許すことができなかったから。それはぜんぶドフラミンゴの都合で、ロシナンテに責任はない。
ルフィとローに対してはマジで言いがかりでしかないからね。おまえがドレスローザに来てから、ドレスローザはぜんぜんまったく平和じゃないからね。おまえ、圧倒的簒奪者かつ詐欺師の分際で16歳の王女さまみたいなこと言ってるんじゃないよ。ビビがクロコダイルに言う「おまえさえ現れなければアラバスタは平和だったんだ!」はせやなあと受け止められるけど、ドフラミンゴがルフィやローに言う「おまえらさえ現れなければドレスローザは平和だった」はなに言ってんだおまえ? としか受け止められないよ。
ドフラミンゴのこういう他責性質については生来? のもの? という感じもあると同時に、トレーボルをはじめとしたスートの面々に助長されまくった感もあるね。悪いことはみんなおまえ以外のだれか、なにかのせい! とすり込んでいる場面があるので。殴られればそいつらを殺し転べば街を焼くという。なので、ドフラミンゴのあの幼稚な他責傾向はトレーボルたち「家族」が完成させたといっても過言ではないと思うけれども、ドフラミンゴは他人や裏切り者は責めても「家族」はどうあっても擁護するから、彼らを責めることは一生ないんだろうな。
そう考えると、ドフラミンゴって、能力的にめちゃくちゃ優秀なので一個の自立した人格として確立できているように見えるけど、実際にはトレーボルたちの操り人形という部分も大きいのかもしれない。ドフラミンゴがもっと無能だったら、傀儡という感じで終わったんだろうなあ。どっちがよかったのか。どっちもよくないか。子どもを自分の理想に仕立て上げようとするのは虐待なのでやめましょう。