とりあえず谷垣のおっぱいに埋もれている月島、なにかの雛みたい。寄りかかってるとかじゃなく完全に埋もれているではないか。そして愁いをふくんだ鯉登とは距離がある。不穏なかんじ。そしてシライシのあばよロシアでタイトル回収。はええよ。

　おばあちゃんのくちかみだんご、正直言って死んでも食べたくないけど、大事をとって横になっているんだろうにいちいちもそもそ起き上がって覗き見ようとする月島が笑える。くちかみだんごを笑顔で食べられるスッギとシライシに、アシㇼパの教育の成果を感じることができる。ヒャクノスケヤマネコもここにいたら迷わず食っただろう。ばあちゃんのつくったものだし。

　味噌のゆくえを言わないアシㇼパ、バルチョーナクの出どころを言わない鯉登、ヒンナヒンナがない食卓。スッギとシライシのテンションにごまかされそうになるが、なかなかに冷えた雰囲気だな。鯉登の表情は怒りにも見える。愛が一転憎しみに変わってしまうのだろうか。鯉登はヒャクノスケヤマネコの花沢中将殺しにまでたどりついてしまうかな。そうしてしまうと鯉登少将の離反はほぼ確実と思われ、海軍支援をうしなう鶴見陣営はかなりの痛手をこうむるだろう。というかふつうに中央にご注進だよね。
　ただ、鶴見は鯉登父子のあいだのわだかまりを解き、鯉登父子の失った息子、兄への感情を溶かしたことは確実なわけで。月島のときもそうだけど、鶴見はこういう嘘をつくんだよね。おたがいwin-winという嘘を。「たしかにわたしは嘘をついた。それを知ってきみは傷ついたかもしれないけれど、そうでなければきみを救うことはできなかった」と言える嘘を。

　杉元、味噌買いに行くのはいいけどだれかにひとこと言って行けよ。幼児か。しかし大量の味噌買ったね。これがいちばんミニサイズなのかな。スッギの妄想のアシㇼパさんが完全に味噌を杉元のうんこあつかいしているのがウケる。店が長谷川ってなってるのにドキッとしましたけどさすがに関係ないよね？

　シライシが足をシュパアアアされた。頭じゃなくてよかった。
　手鏡を貸せ！　に「てか…がみ？」になってる月島あまりにウケるんですけど。月島、清潔とかのためじゃなく風呂が好きなんだね。たぶん石鹸いっこで全身ざっと洗ってすぐ湯船に入るタイプだね。耳の裏とか黒いやつだね。しかたねえ、悪童だから……と思ったけど、鶴見といっしょに10年ちかくいて、その反応なに！？　と思ってしまう。たぶんなんか手鏡というものは鶴見中尉や鯉登少尉のような顔のきれいな男が持っているもので、自分が持つものではない。それなのに貸せとか言い出す鯉登少尉は何なのか。という戸惑いだったんだろう。
　鯉登の汚い顔しおって！！　指紋が付くだろバカタレッもいいね。谷垣にもいってたね、牝牛のように太りおって！　とか。そういえばくちかみおばあちゃんちで源次郎のシャツあまりにもパッツパツだった……ササッと身だしなみとととのえたあと狙撃手をとらえようとするがあえなく割れる手鏡。この時代の手鏡って定期的に磨くタイプなのかな？

　そしてヒャクノスケヤマネコが戻ってきたんだ！！！！　とか思ってたらもどってきていたのはヴァシリだった。ヴァシリ！　おまえ中央にちゃんと連絡したか？　国境まさかいまカラじゃないよな？　だからあばよロシア！　ってらくらくできたわけじゃないよな？　無断で日本領に入ってきてヒャクノスケヤマネコを狙ってるわけじゃないよな！？！？！　なんかめちゃめちゃ心配。中央への報告なんていつでも事後報告でいいんや……とかいってたひともいたけど。
　というかヴァシリが追うべきはユルバルスだけど、たぶんヴァシリはあんまり興味がなさそうな感じがする。おれより強いやつに会いに行く……って感じがするから。でも、シライシを撃ったのが釣りだとしたら、ヒャクノスケヤマネコにはきかないことはわかっているから、国境警備隊襲撃のときにアンマーを助けに行ったキロランケがまた出てくることを想定したのかもしれない……いやそんな二匹目のどじょうをねらうタイプではないか。

　なんとなく雰囲気が茨戸のときみたいだけれども、ヴァシリはおそらくひとり、杉元たちは狙撃手の位置を正確に把握できておらず……というところで双方不利。

　しかしこの戦い、どっちが勝っても得るものないよな。ヴァシリにとっては「ユルバルスは死んで氷原に埋葬したから死体の位置はわからない。ちなみにヒャクノスケヤマネコは片目になったあとフルちんでアヒャって馬で去った」だし（まあ不法入国者の制裁という意味はあるかも）、杉元たち側からすれば「誰！？　だれなの！？　怖いよォッ」って感じじゃん。アシㇼパとシライシはヴァシリの顔を知らないだろうし……月島、死んでも生き残れ！　おまえが通訳しないとなにもかも迷宮入りだぞッ！

　表紙のちみキャラめちゃめちゃかわいい。鶴見がいちばんかわいいと思います。なぜなら鶴見だからです。