紫のバラのひとみたいに言うなや。
感想書くのに手間取った……それほどにわたしにとって””””濃い””””話だった。ヤバすぎる。まあまず最初のページの父見がヤバいんやけど。三輪車でいけば速い! って話だったのに結局走りよるやん。そして音之進の決死の表情。ギャップすごい。そして鶴見の筋肉意外にすごい。
あと、「ボンボンが」ってロシア語で言ったのがヒャクノスケヤマネコだとすると、これは、あれですよね、そのへんにあったてきとうなあんぱんを与えたのもヒャクノスケヤマネコ、背をさすってやったのもヒャクノスケヤマネコ。つまり、ヒャクノスケヤマネコは音之進に一方的にシンパシーを抱いたんだろう。しかしやってくる父上。オトノシン・ラプソディ。手のひらドリルで「ボンボンが」。だって音之進には迎えに来てくれる父親がいるんだもんな。勝手に共感し勝手に裏切られる男、ヒャクノスケヤマネコ。
そして父モスの顎をパキャッとやったのは半袖の男、つまり世紀末覇者と化した鶴見であるはず。そして偽の銃撃戦、あらわれるうるわしの鶴見中尉どん。仕組まれてるやん……鯉登の初恋仕組まれてるやんけ! いやいくら仕組まれていたとしても、クソコラ男になったりとかそのへんはどうかとおもうけど、仕組まれておられるではないですか。完全に音之進恋に落ちてるし。やっぱりまた会えたねじゃないよ。銃撃戦なのに服をはだけさせてるんじゃないよ。音之進も運命でごわすねとか口説いてるんじゃないよ。どうしてサスペンダーで乳首を攻撃するのよ。もうなにもかもわからん。
次のページ、不穏。鶴見にヤバ感情抱いてる(暫定)三人組がそろっとる。階級も聯隊もわからないのはわざとなのか。知らんけどちんぽ特務曹長が働いているの初めて見て感動しました。仕事してたんですね。
やっぱり鶴見が理由で陸軍志願している……鶴見はここまで計算に入れていたのか、あくまで仲間に入れたいのは父モスだけだったのか、よくわからない。しかしふつうに考えて、音之進に目を付けるだけの情報を得られる理由がないので、父モスを釣ったら音之進もついてきた(傷ついた子どもとして、気になってはいた)のかな? 父モスが助けに行かなくても鶴見が助けに行ったのだろうし、そうしたら父モスは鶴見に感謝するだろうし、イレギュラーは父モスが音之進を助けに行ったことと、父モスと音之進が和解したこと、それでもなお音之進が鶴見に堕ちたこと……なんだろうか。
最後の逃げていくヒャクノスケヤマネコのアヒャっぷり笑う通り越して引いてしまった。大丈夫か。もうしぬっすわって医者に言われていたのにほとんど裸でフルちんで乗馬して走っていく。それを見送って元気になって帰ってこいよぶっ殺してやるからとちかう杉元。大造じいさんとガンかよ? ちょっとよくわからないです。
あと、今回の話で、わたしがスゲーこわいなと思ったというか印象がかわったのは断然月島なんだよね。月島、正直奉天までは鶴見がだれかをだましていることもなにも知らないんだと思ってた。なにも知らないというか、これはちょっと……みたいなのは知らないイメージがあった。でもちがって、だいたいぜんぶ知ってて、それでも鶴見についてきてて、あの子のことでだまされてやっと激怒したんやな。大した性根してるじゃないですか。ほかのだれがどんな大事なものを盾にだまされたとしても鶴見についていくけど、自分にだけはゆるせない! っていうのめっちゃエゴじゃん。エゴっていうのもあるけど、「それほどまでにしないと、自分は信用されないのか」っていう気持ちもあったのかもしれない。最初のときは、単にあの子のことでだまされたから怒ったのかなと単純に思ってたけど。結局それでも、それがあってさえ、月島は鶴見を捨てることができなかった。9年間はあまりに長すぎたね。腐女子としてはそこに月島の鶴見への情をみてしまうけれども、ふつうに、死刑になっていたら生きられなかったはずの9年間に、大事なものが増えすぎたんだと思う。その恩人をやっぱり捨てられないし、殺せない。もはや、月島にとって鶴見は、肉親のような、否応なく愛憎を抱かざるを得ないような存在になってしまったんじゃないかな。
今回の音之進もおなじ構造だよね。いちばん大事だった思い出を踏みにじられて、それでもなお鶴見についていけるのか、いのちをかけられるのか、という。音之進はどうするんだろう。
それと、今回の件、ヒャクノスケヤマネコが完全に把握していたことから、やっぱり、ヒャクノスケヤマネコは鯉登兄弟のことを知って「ふたりいた子どもがひとり死んでいなくなると、残ったひとりを大事にしだすものなのだ」と理解した可能性があるなと思った。落ち着け~!!!!! 解釈違いです~!!!!! それにくわえて、勇作さんが兄弟にあこがれていたというのは、鯉登兄弟をみていて、モス兄のような兄がほしい! と考えていたのだとしたら、地獄じゃないか。おなじものをみてちがうことを考えていた。どうでもいいけど、ちいさい音之進がちいさい勇作さんに「おいの兄さあじゃ!」って威嚇していたらかわいい。