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ゴカム:190話「明日のために」

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ゴカム:190話「明日のために」

 スヴェトラーナをさがせ!

 扉、天から役目なしに降ろされたものはなにもないというやつ、持ってくるのやめて。察してしまうから。いろいろと。
 前話に引き続き鯉登とキロランケのもみ合い。まえから思ってるけど鯉登の能力あまりに高くない? ふつう、戦争経験者、いわゆる戦争帰りと戦争未経験者っていうと後者が劣るという展開が鉄板だけれども、鯉登はぜんぜんそんなことないね。まあキロランケはげんじろちゃんに手傷を負わされているというのもあるけれども、それにしても互角以上にやりあっているし。ひとを殺すにもためらいがない。鯉登はいつ殺人の一線を越えたんだろう。なんとなく「こんなものか」ですませるか、なにも感じてなさそう。いや、もしかしたら鯉登が着ていたあの刺青人皮がはじめての殺人で、「鶴見中尉にほめていただけるッ」と有頂天だった可能性すらある。つよい。そのうえ皮を引っ剝いで着る。つよすぎてもはやなにも言えない。
 あと、相手が馬乗りになってきて剣先がずぶずぶ刺さっていくというの、まえにもあったなと思って調べてみたら2巻で鶴見隊にとらわれた杉元を洋平と浩平が襲撃したときに、洋平がやっていた。サトゥルヌス先生はこの構図好きなのかな。単に流れでそうなっただけかもな。洋平とキロランケ、あんまり関連性がないから意図的にかぶせたとかではなさそうな……どうだろう。疑心暗鬼。

 屈強な兵士月島、げんじろちゃんを引き連れてやっぱり合流しました。わかってた。知ってた。しかし、スヴェトラーナはどうした。つれてこられても困るけどいなくても気になる。なにかとぞんざいなあつかい、スヴェトラーナ。
 鯉登前回から「おのれ」「よくも」、今回の「手出し無用」、侍かよ。そしてボンバーマンキロランケに背を向ける月島。有能なのになにかとつめが甘くない? 悪童としてもどうなの? 抵抗の意思を失わせるほどにぶちのめすまで、あるいは殺すまで、敵に背中を向けるなというのはけんかの基本ではないのか。すきをみてボンバーするキロランケ。げんじろちゃんの顔が笑える。
 これまで、爆弾に対しては全力で逃げる(札幌)、かばう(奉天、前回)とやってきたけど、ここにきて第三の選択肢「たたき斬る」を実践する鯉登。もうおまえがナンバーワンだよ。どうしていつもそういうふうにいられないんだ。鶴見中尉のまえではぐんにゃりしたりキエエエってなったり……
 そしてアシㇼパ合流。後ろにはヒャクノスケヤマネコをおんぶした杉元と、シライシ。アシㇼパはキロランケをかばい、月島はキロランケを殺そうとする。目が血走っとるがな。意外にもさっきまで手出し無用とか言ってた鯉登はなにも言わない。
 キロランケはこの期に及んでアシㇼパに逃げるぞとか言うけど、もう半分錯乱してるんだろうなあ。どうみても助からない手傷をみて、アシㇼパが暗号のカギを思い出したことをキロランケにささやく。
 キロランケの走馬燈……おまえらもスチェンカからの>ヴァーニャ<やっとったんかい! スチェンカ、シライシが一発KOされたっぽい(軽傷)、ヒャクノスケヤマネコがそこそこ粘ったけどだめだったっぽい(ぼこぼこ)、キロランケが最後までがんばったっていうのイメージ通りすぎるね。アシㇼパめっちゃはしゃいでるやん。フレップ食べてる顔もよかったよアシㇼパ。この旅は無駄ではなかった……いや無駄なこともしたなっていう流れ、感情の行き場に困るからやめなさい。そしてキロランケの妻子。キロランケの妻にとってキロランケの死は寝耳に水になるのか、うすうす察していた結果になるのかが気になる。あと、キロランケはソフィアのこと好きだったんだろうか。地獄の三角関係だな。ウイルクとユルバルスとソフィア。
 走馬燈のなかに長谷川さんとオリガちゃんがいるの、やっぱり鮮烈なできごとだったんだなあなどと思いました。サトゥルヌス先生の描くぶさいくな赤ちゃん、好き。

 すべてをアシㇼパに託して、息を引き取ったキロランケ。アシㇼパはウイルクのことをいちばん訊きたかったんだろうけど、答えはききたくなかったのかもな。いいニㇱパだったもんなキロランケ……
 でもさあウイルクとキロランケの呪いをまだ子どもであるべきアシㇼパに押し付けて逝ってしまうのずるくないか。アシㇼパが黄金をどう用いるにしろ、あるいは葬るにしろ、だれかに奪われてしまうにしろ、一生の呪いじゃないか。ヒャクノスケヤマネコといい、月島といい、なんというか父親の呪いというのが解けないよね。シャナク! シャナク!(@ドラクエ)
 ただ、読者としては、キロランケがつなぐ話の糸が途切れないみたいだからうれしいんだよな。ごめんなアシㇼパ。

 こまごまと気づいたことなんだけども、ヒャクノスケヤマネコにちゃんと防寒着を着せ帽子をかぶせミトンをはめてやったみんな、やさしい……いやそうしないと死んでしまうからなんだろうけど。
 アシㇼパ、小便臭いのかな。キロランケが最期に嗅いだにおい、シライシの小便なんだろうか。
 げんじろちゃんは、いちどは命を救ってくれたキロランケを殺してなにを思うんだろう。
 ヒャクノスケヤマネコは生き延び、キロランケが死ぬのに非対称性を感じるといったけど、今回読むとそうでもなかった。キロランケはアシㇼパに受け継がせる(読者としては押し付ける感じだなと思うけど)だけで満足だったんだな。それがキロランケの役目だったんだなと思った。アシㇼパにどうするか、あるいはなにもしないかという判断をするための材料を提供するのがキロランケの役目で、それはもう終わってしまったんだ。でもヒャクノスケヤマネコはあそこでアシㇼパに殺されることできっと満足はできたけど、それは役目ではなかったんだな。ヒャクノスケヤマネコの役目ってなんなんだろうな。たぶん、ヒャクノスケヤマネコが死ぬときは、それが父の呪いのなかであれ、そとであれ、きっとあんなふうに「ざまあみろ」っていうような昏い満足ではなくて、もっと明るい満足を得て死んでいくんだろう。そのときが楽しみだな……

 長くてすまねえェ……

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