トッカリー!!!!!!!!(MVT:Most Valuable TOKKARI)
鯉登の「こいつ、持ってやがる……」というのを心底思い知らされた回。月島どころか大自然までがやつに味方した。勝てるのか、キロランケ! がんばれ、キロランケ! そんな回。
あと扉で妻子も同胞も捨てたって言ってるけど妻子はマジで捨てたんですか! やだー!
「その女なんなのッ おいていきなさいよッ!!」というやり取りはとくになにもなかったかのようにスルーっとふつうにスヴェトラーナ連れの鯉登と月島。対立なんてなかったんや。チェッ……しかしスヴェトラーナに対する微妙にぞんざいなあつかい、ウケますね。言葉もわからんけが人とともに残される。もしかしたらここからスヴェトラーナのナイチンゲールばりの看護能力、もしくはブラック・ジャックなみの医療技術が開花し、それによってげんじろちゃんが救われる……ということがあるのかもしれませんね。まあ100%ないと思うけど、言うのはタダだから。
鯉登はね、なにかあるとすーぐよってっちゃって触るよね。好奇心旺盛すぎるな。幼児か? まんまとキロランケの罠にかかってしまう。このキロランケの罠、アマッポにも似たアイヌの技術と、キロランケの工兵・テロリストとしての爆弾製作技術が完璧にからみあっていて、感動してしまった。まさにキロランケの罠。しかし、アイヌという猟を生業にして生きている人間を追うからには、罠を予測してしかるべきで、鯉登が杉元だったら、アイヌを知っていてキロランケという人間も知っていることからヤバいと判断してさわらなかったし、さわったとしてすぐ警戒にうつったと思うんですな。鯉登はアイヌのことを知らなかったのか、よく知るヒャクノスケヤマネコの狙撃を警戒するあまりキロランケへの警戒がおろそかになったのか? 氷上ではなにもできまいとたかをくくったか? どれにしろ鯉登のへま。
月島はたぶんFFでジョブを得るとしたら「ナイト」だよね。かばうばっかりしやがって……しかしここまで、月島は自分のへまからピンチになった人間を助けることはしてても(財布忘れで江渡貝くん、戦場で殴って鶴見)、今回のようなパターンはなかったので、やったな月島! とちょっと思ってしまった。有能だけど運はない月島。
月島のかばうで鯉登はほぼ無傷だけれども、ぶっちゃけ月島がかばったからというより鯉登の強運が月島の行動やなんやにも影響したとしか思えない。なぜってトッカリが……なんじゃおまえ! 干したプクサと煮るぞおまえ! もう鯉登は第二次世界大戦も生き延びて、平成の世になってから孫ひ孫玄孫にかこまれて大往生するのでは??? と思えてくる。あのトッカリ、どこかで鯉登に命を救われたのか、単に爆発の音におどろいて顔をのぞかせたのか、でもあの鳴き声にアテレコするとしたら完全に「鯉登うしろーッ!!」でしょ。
そして鯉登の「よくも私の部下たちを」というの、げんじろちゃんも入ってる感じですかね。これは鯉登の部下思いな一面なのか、単に、自分に従属しているものを傷つけられたというプライドの問題なのか気になります。いい子な鯉登より、高慢な鯉登のほうがすきなので、後者だったらいいな。でも前者でもぜんぜんいいな。そしたら、鶴見をしたう理由の一端がわかるね。鶴見も部下思いだからついていっているという。まあ常軌を逸した熱愛ぶりの理由はよくわからないけども。
めっちゃかっこいい「きエーッ!」、鯉登はほんとうにだれもいないところで輝くよね。月島の「ひとりで行くな!」にはバイキルトの効果があるのでは? もしくは単独行動によってすべての能力値が飛躍的に向上するスキルとか持ってるでしょ。はじめてのおつかいに月島といっしょにやるとあちこちちょろちょろしてしまうけど、ひとりでやったらハリウッドばりのアクションを見せて帰還するんでしょ。
キロランケさあ……死んでしまうんでしょうか。めっちゃ首だよね。これは月島のぶんだッ! どうしてげんじろも鯉登も「あいつがやられたところにぶち込んでやるッ」みたいなことする? キロランケのマキリ大活躍だよ。しかしここでキロランケが死んでしまうと、げんじろちゃんがまた復讐だぜ的な感じでつらいので、ソフィアが助けに来てほしい。犬ぞりとかでサッとキロランケをさらっていってくれないかな。さすがに氷上で犬ぞりには追い付けないだろう鯉登も。まあキロランケが凍ってしまう可能性もあるけれども。
メタ的にいうと、ヒャクノスケヤマネコは助かってキロランケは死ぬ、っていうのは物語としてなんか気持ちがわるいし、ここでロシアへの流れがぶっつり切れてしまう感じでおもしろくないという気持ちもあるんだね。キロランケの事情をなにもしらないふたり(鯉登とげんじろちゃん)にキロランケが殺されてしまうというのもつまんねえなあ……というのもある。
小便まつりをしていた三人がちゃんと小便をぬぐって暖を取っていることを祈る。
月島はなんだかんだ自分で止血して追いかけてきそう。筋肉に対する信頼。