やけにオタクとかふつうを自称するひとに嫌われているとおもう、ポリコレちゃん。わたしは好きなんだよな。創作における登場人物ってあまりに画一的だなっておもうじゃん? 洋画でも主人公は異性愛者の白人男性ばっかりで、女性や黒人やそのほかマイノリティを主人公にするには理由がいるの。わき役として登場することにすら理由がいる。でも主人公が異性愛者の白人男性であることには理由がいらないんだよね。だってこの社会が異性愛者であること・白人であること・男であることが人間としてのデフォルトだから。でもひとがあたりまえにもってる属性を勝手にオプション特性にして、「女性ならでは」みたいなものを求められてるのってつまんないんだよ。女にしろなんにしろ、特性だけで生きてるわけないじゃん。性別とか人種とか性的指向を置いて人間としてっていうのがあるじゃん。そういうのを打破してくれているので、世の中をおもしろくすみやすくしてくれているとわたしは感じている。
こういうことを言いたくなったのは、スーパーマンの息子がバイセクシャルと言う設定(まあアメコミなのでこう言っていいのかはよくわからないけどとりあえずわかりやすく)がついて、なんかヤダヤダ!! って言ってるひとが多いから。なんか「ポリコレに配慮してる感じだからヤダ!!」みたいな意見もあってそれはヤバいでしょって思う。おもしろいかおもしろくないかとかいうまえに、もうヤダって言っときたいっておかしいじゃん。伏線がなかったっていうのも、べつにこれがあったから同性愛者、両性愛者になるっていうことはないんだから伏線もくそもないでしょ。わかんねー。
あと、ポリコレに配慮っていうのもわかんない。たぶん作者は配慮じゃなくてポリコレを取り入れたかったんだろうとおもう。それにもうマイノリティ自身が創作をしている時代だから、ポリコレに気を使いすぎ!!! とかポリコレ嫌いに言われている作品たちも、配慮じゃなくて単に自分の知ってるものを取り入れただけじゃないのって。なんでポリコレポリコレ言ってるうるせーやつがいるから社会が迎合してる! とかいう認識なのかな。
ポリコレ嫌いのひとにはそれは差別ですよ間違ってますよって言われたくない、自分はなにかの主体じゃなく傍観者・消費者・アマチュアなんだからこっちに口出ししてくるなよみたいなひともけっこう見受けられるけど、間違えたくないならあたらしい概念でも学べばいいのに。ひとを傷つけても踏みつけても怒られないままの状態でいたいっていう甘えはさすがにもう通用しないとおもう。ネット社会は2ちゃんねるとかニコニコ動画みたいな必死だなって相手をせせら笑ってればマウントとれる段階を脱しつつあるから、その状態に居座りたいならまあどうぞって感じではあるけど。
これって萌え話か? ってかんじではあるけど、わたしにとっては萌え話です。わたしはずっと、漫画で意味もなく露出が多い女とか、BLで受けをほめるためにやたらモブ女性をけなすとか受けが攻めに「女性と付き合うのがただしいのに」って言ってそれが無批判のままおわるとか、そういう理屈にあわないものがずっとイヤだった。筋が通らないからつまんないとおもってたし、BLGLには葛藤があってほしい禁断であってほしいみたいな意見にもまったく頷けることがなかった。これがなければおもしろいのになってふうにしか物語を楽しめなかったので、女がちゃんと男並みに服着てるダンジョン飯とかの漫画がでてきてうれしいし、レズものって女二人だからお得wとか百合は学生時代のはかない幻……みたいな消費されるだけの若い少女たちの一過性同性愛としてじゃなくてつくたべみたいな丁寧で持続性のある女性同性愛漫画がでてきてたのしいとおもう。そういう萌え話。
とりあえずわたしは意図せずだれかを傷つける創作はしたくないなとおもっている。まあ闇のBL愛好家なので、意図して傷つけることはしていきたいけど。これからもポリコレちゃんにはわたしが読みやすい創作、生きやすい世界をつくっていく手助けをしてほしい。